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工事現場密着レポート

◎工事現場密着レポートは、大量の写真と詳細な説明で、難解な塗装工事の様子を皆様に分かり易くお伝えします。
※このマーク(写真拡大)が付いた写真はクリックすると拡大します。

T.可児市Y様邸
工事期間(平成18年7/13〜8/6 25日間)


(1)家の形態
築11年 ハウスメーカーI社 在来軸組工法

(2)外壁、屋根塗装工事をするに至った経緯

Y様が家を購入して10年が経ち、外壁の窯業系サイディングボードも色褪せし始め、新築時真っ黒だった屋根のカラーベストも下地が所々見え出し、そろそろ塗装工事をしなくてはいけないかなと感じていたそうです。家を建てたハウスメーカーも含め、どの業者で塗装しようか随分悩まれたそうですが(実際3社程塗装工事の見積もりを取られたそうです)、当社が提示した見積内容(外壁:超低汚染型2液シリコン、屋根:溶剤フッ素仕様)、見積金額を気に入ってもらえ、工事を請け負わせていただく事ができました。


(3)既存外壁サイディングボード、屋根カラーベストの現状

外壁には窯業系のサイディングボードが使用されています。サイディングボードはセメント、石灰を主成分にしているため、火には強いのですが塗膜がチョーキング(粉状化)を起こすと非常に水を含みやすくなります。ボードが湿ったり、乾燥したりを繰り返すうちに、反ったり、割れたりしてきます。そうならないためには早めの防水塗装が必要です屋根はカラーベストと言い、セメントとけい砂、パルプを主成分とした製品です。やはり水に弱く、早めのお手入れ(塗装)が必要です。特に屋根は雨風や紫外線、霜、雪などの影響を直接受けるので、外壁に塗る材料より耐候性で優れた材料を使う必要性があります。現場で塗膜の劣化状況を見ていると、メーカー発表の耐候年数より早く劣化しているように感じます。以前にもまして温暖化、酸性雨、紫外線の増加などの影響があるように思えます。
屋根カラーベスト 屋根カラーベスト(拡大) 外壁サイディングボード


(4)シミュレーション
施工前 シミュレーション後

Y様邸をデジカメで撮影し、パソコンで加工(色付け、タイル張り)してみました。実際に塗った色は変更されましたが、シミュレーションする事でリフォームのイメージを掴む事ができます。また、作成したシミュレーション写真を元にして色やタイルの張り方をお客様と念入りに相談することができ、仕上がりに対する不安が取り除かれます。
施工後


(5)足場組立

鋼管製のパイプで外壁の廻りに足場を組みます。今回、屋根の勾配は5寸勾配(約27度)で作業するには少々キツイのですが、屋根足場をのせてしまうと、作業が大変やりにくくなるので、今回は屋根足場無しで施工することにしました。その方が連続して作業する事ができ、早く、綺麗に仕上がるからです。夏の暑い時期の塗装では、乾かないうちに塗り重ねないと後から色むらが出る心配があるので、屋根に足場が無い方がいいんです。それとY様邸には北側に大きなカーポートがあり、アクリル板を外して足場を建てるかどうか悩みましたが、アクリル板を外せば脱着費用分がお客様の負担増になり、またアクリル板脱着時にひびが入るなど破損の危険も増すので、今回は下から支柱を入れ、カーポート上にもみち板を敷くことで圧力を分散させ、アクリル板を外さず施工することにしました。作業も支障無くする事ができ、工事完了後アクリル板、カーポートを点検しましたが、損傷はありませんでした。家の形や立地条件も様々ですので、私達はその都度お客様と相談しベストな方法を探り、工夫して足場を組みます。

足場運搬車(3トントラック)

足場架設中

足場架設中

カーポートを支える鋼管柱

カーポート上のみち板敷き


(6)飛散防止ネット張り


北側
今回のY様邸は団地にあり、隣家が近いためメッシュの飛散防止ネットを西側、東側、南側に張りました。北側は空き地のため張りませんでした。塗装作業時の塗料の飛散防止効果も期待できますが、屋根の高圧洗浄時、隣家への水飛沫(しぶき)の飛散を少なくする効果もあります。

南側

東側


(7)高圧洗浄

ガソリンエンジンを動力とする高圧洗浄機です。あまり高圧で洗浄しすぎてもいけないので、外壁、屋根の状態に合わせて圧力を調整し、丁寧に洗います。外壁、屋根はもちろんのことベランダ床、軒天井、破風板、窓、サッシ、雨戸、塀、基礎コンクリートなど洗って問題無い部分は全て洗い流します。尚、水道水を使用させていただくことはご容赦下さい。

外壁洗浄中

ベランダ内洗浄中

屋根洗浄中

屋根洗浄中

外壁洗浄後

屋根洗浄後

屋根洗浄後(拡大)

高圧洗浄機(ガソリンエンジン)

圧力メーター(120kgf/u)


(8)コーキング補修

サイディングボード間にある目地を全て撤去し、新しく可塑剤の入っていないノンブリードシリコンで打ち替えました。窓廻りは劣化が少なかったので増し打ち(同材料)にしました。使用したコーキング材料は日東化学の塗装専科です。

既設のコーキングをカット後

マスキングテープ張り

新しいコーキング材を注入

指で均一にならし

マスキングテープを剥がす

完成


(9)養生

窓やサッシ、玄関ドアと言ったアルミやガラス部分には塗料が付着しないように、ビニールフィルムで覆い隠します。これを養生と言います。また外壁直下の場所には上から塗料が落ちても汚れないように、古い布切れなどを敷く土間養生をします。玄関ドアだけはいつでも通れるように開けておくのですが、その他の窓は上塗りが完了するまで張ったままになります。夏のこの時期、閉め切った部屋での生活は大変なんです。Y様も苦労されたと後から聞きました。しかし、夏は乾燥が早く塗装工事をするにはもってこいの季節なんですが・・・。お客様の事を思うと悩みます。

掃き出し窓の養生

掃き出し窓の養生

エアコン室外機の養生

基礎の養生


(10)軒天井塗り

軒天はケイ酸カルシウム板で、もし軒天井に雨水が浸入しても塗膜が膨らまないように、透質性の高い(水分を通す)塗料を塗ります。軒天井は基本的に太陽や雨が直接当たらず、塗膜が劣化しにくい場所ですので、前に塗ってある色が濃い色でない限り1回塗りでOKです。今回は前に塗ってあった色が薄いグレイだったので大丈夫でした。刷毛とローラーを使用し塗ります。あと、軒天井は塗装工程の中で最初の工程になるのですが、その理由は軒天井を塗っていると、どうしても外壁に塗料がたれるからです。軒天井塗りに使用した材料は日本ペイントの水性ケンエースGUです。

刷毛、ローラー塗り

刷毛、ローラー塗り

刷毛塗り


(11)外壁下塗り

サイディングボードに下塗り材料をローラーと刷毛を使用し、塗っていきます。下塗りは水性で塗料缶に約500CCの水を入れ、少し粘度を下げて塗ります。コーナーは刷毛で、平らで広い面はローラーで、職人の今枝君と小栗君が追いかけるように塗っていきます。上手く仕上げるには乾かないうちに塗り重ねるのがコツです。下塗りは仕上げ塗料ではないので、塗った後、乾くと染み込みむらができますが、全く心配ありません。次工程の中塗りで綺麗に塗り直されますので。
外壁下塗りに使用した材料はSK化研の水性ソフトサーフSGです。

ローラー塗り

ローラー塗り

刷毛塗り

下塗り(拡大)

下塗りに使用した塗料缶


(12)外壁中塗り

今回外壁色はツートーンカラーにする事にしました。Y様のご意向ですが、私も賛成でした。1階と2階の間に帯板があり、ツートンにしても問題ないと感じていたからです。塗装をする前にコンピューターによるシミュレーションで確認していたので心配はありませんでした。1階の外壁色は薄いピンクベージュ(KN048B:菊水色見本帳より)、2階はほとんど白に近いピンク(KN043D:同)です。
外壁中塗り、上塗りに使用した材料はSK化研の水性セラタイトシリコン(2液型)です。

ローラー塗り

ローラー塗り

カーポート上での作業

中、上塗りに使用した塗料缶
(1階部分)

中、上塗りに使用した塗料缶
(2階部分)


(13)外壁上塗り

中塗りが完了した翌日、上塗りをしました。作業内容は中塗りと同じで、刷毛とローラーを使用し丁寧に塗っていきます。

余分な塗膜のカット

ローラー塗り

ローラー塗り

ローラー塗り

ネタ場


(14)屋根下塗り

Y様邸で特に劣化が酷(ひど)かったのが屋根のカラーベストです。新築時の塗装が剥げてしまい、高圧洗浄後は塗膜がほとんど無くなり、下地のモルタルが現れました。高圧洗浄すると、カラーベストの表面が荒れ下地の吸い込みが激しくなることは予想していましたので、見積書の段階で屋根の下塗りは2回としていました。屋根下塗りに使用した材料は旭硝子のエポキシ浸透性プライマー(2液型)です。屋根に浸透して表面をカチカチに固めます。しかも2回塗りますので次に塗る中塗り材料も性能を十分発揮できます。また、屋根に付随する鉄部(押さえ金物、水切り金物)については、下塗りから上塗りまで強溶剤仕様なので錆止め塗料を塗る必要はありません。鉄部も屋根材料で塗りました。

屋根下塗り材料

下塗り1回目

下塗り1回目

下塗り2回目

下塗り2回目

下塗り2回目(拡大)


(15)屋根中塗り

屋根中塗り、上塗りには旭硝子のボンフロン♯1000(強溶剤フッ素塗料)を使用しました。カラーベスト屋根の塗装仕様としては現時点で最強だと思います。実は以前、塗膜が強靱なフッ素塗料を屋根塗装に取り入れるかどうか迷っていた時、旭硝子さんのご厚意で10年前にフッ素塗装をしたカラーベストの家を見させてもらう機会を得ました。現場は岐阜県東濃地方の某市にあったのですが、その家のカラーベスト屋根を見て私は屋根塗装にはフッ素しかないと確信しました。10年経っていても全然、色(艶)が変わっていないんです。驚きました。そういう経緯があり、当社でも標準仕様として屋根塗装にはフッ素塗料を推奨、使用するようになりました。
屋根色は欧風で流行のミラノグリーンを提案したところ、Y様のご主人も塗り替えるなら緑の屋根にしたかったそうで、すんなりとミラノグリーンに決定しました。

刷毛塗り

刷毛塗り

中、上塗りに使用した塗料缶


(16)屋根上塗り

中塗りと同じ材料を、刷毛とローラーで丁寧に塗っていきます。写真が少なくて申し訳ありません。

屋根上塗り後

屋根上塗り後


(17)破風板、帯板、雨樋塗り

破風板、帯板、雨樋は既存の色が茶色でしたが、サッシの黒に統一した方が全体のバランスが良くなると考え、各部の色を黒にさせていただきました。塗料は日本ペイントの1液ファインウレタン(弱溶剤)を使用しました。

刷毛塗り

刷毛塗り

刷毛塗り


(18)カルセラタイル張り

玄関の柱と2階の出窓に超軽量タイルを張ることにしました。外壁の一部にタイルを張ると、高級感が増し、家の価値が上がるように感じます。実際、当社でタイル張りを施工したお客様に感想を聞くと、想像以上の出来映えに感動したと言われる場合が多いです。今回使ったタイルは水に浮く程軽く、また古い煉瓦のような趣きをもつ玉川窯業製のカルセラを使用しました。当社ではおなじみのタイルです。タイルは重いと言う常識を覆したタイルです。軽いので外壁に直接張っても負担になりません。施工方法も従来のタイル張りに比べ簡単で、接着剤を塗ったあと1枚1枚手でくっつけるだけです。それでも半永久に剥がれません。画期的なこの工法は超軽量タイルの開発と、接着剤の改良によって実現されました。Y様邸のカルセラ施工期間は2日間でした。タイル色はB−3(レンガ色)を使用しました。

手で1枚ずつ張ります

玄関柱施工中

玄関柱施工後

出窓にも張りました


(19)エアコン移設

1階玄関上の屋根に乗っていたエアコンを玄関脇に移設しました。Y様が不安定な場所に設置されていて、何かの拍子に落ちてきては困ると話していたからです。以前に設置されていた場所から約5m移動したことにより、電気コード、排水官、ガス管、エアコンカバーなど、余分な費用が掛かってしまいましたが安心は得られたと思います。

移設前の状態

カバー撤去中

移設中

移設後

移設後


(20)施工前〜施工後 外観(定点観測)
元々お洒落な作りでしたが、最近の流行を取り入れた事で更にお洒落な家に変身しました。

@施工前(東側)

A高圧洗浄後

Bコーキング後

C外壁下塗り後

D外壁上塗り後

E屋根下塗り後(2回目)

F2階屋根まで上塗り完了後

G施工後外観(北側)

H施工後外観(東側)

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